【供給制約】人手不足は深刻

小売り、建設費高騰で出店抑制 イオンは2~3割減
外食、サイゼリヤは2割減 2014/3/9 1:32 情報元 日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ0707T_Y4A300C1MM8000/


『小売り・外食企業が2014年度の出店計画を見直す。
建築資材の値上がりに建設技能者の不足が重なり、商業施設の建設費は5割近くも上昇
イオンは大型ショッピングセンターの出店数を従来計画より2~3割抑え、セブン&アイ・ホールディングス傘下のスーパー、ヨークベニマルは半分にする
入札の不調が相次ぐ公共工事に続き、民間企業にも建設費高騰の影響が広がってきた。』









「保守」の皆様は、「売国企業のイオン出店が抑制されて慶賀にたえない」とか本末転倒なことを言い出しかねませんが、この問題はイオンのみならず、日本全国の企業に影響する問題であります。

いよいよ民需駆逐が本格化して参りました。


【国土強靭化】続・避けて通る事が出来ない供給制約の問題
http://ameblo.jp/khensuke/entry-11777377219.html



【公共事業】続・公共事業とミクロ需給分析
http://himorjp.blog.fc2.com/blog-entry-47.html




プロの方々の解説はこちら。


財政政策に関する政策的・思想的・理論的課題――藤井聡氏からの再コメントへのリプライ
飯田泰之 / 経済学
http://synodos.jp/economy/7261



乗数効果と公共事業の短期的効果への疑問――藤井聡先生へのリプライ
飯田泰之 / 経済学
http://synodos.jp/economy/7198



「飯田-藤井文通」の一連の流れはこちら。

1.飯田氏より:月刊誌『Voice』3月号での連載「ニッポン新潮流」に関し、

2.藤井からの討論:http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/02/18/fujii-76/

3.飯田氏からのリプライ:http://synodos.jp/economy/7198

4.藤井からの追加コメント:http://synodos.jp/economy/7259

5.飯田氏からの再リプライ:http://synodos.jp/economy/7261



『これらの問題を考えるために、なぜ日本全体で人が余り、土木・建設業で人が足りないのかから考えてみましょう。

現在の土木・建設業は安全施策面でも技術面でも、バブル以前とは別の産業であると言っても良いほどに高度化しています。
さらに、保守・メンテナンスではよりいっそう、単純労働の占める割合は低くなっている。
そのため、いまちょっと失業しているから一時的に従事する――という業界ではなくなってしまったのです。
現在、土木・建設業に就くためには教育訓練と経験が必要です。』


『このような状況に対して必要なのは土木・建設業界の先行きを明示することだと考えられます。
社会インフラ整備計画が立案され、一定の規模の事業が十年以上にわたって継続的に行われることが示されたならば、企業による人材育成と設備投資や個人の技能習得が行われやすくなる。
自身の意見としては、2020年までの都道府県毎の社会基盤整備計画を示し、一定の拘束力のある財源確保の方法を講じるだけでも供給制約状況はずいぶん改善されると考えられます。
そして、望むべきは今後30年にわたる整備の大方針だけでも決定されるなら、その効果はさらに大きいでしょう。


もちろん、現在の日本の財政状況で、公共事業を相似拡大的に増加させ続けるというのは現実的な計画ではありません。
地域毎に十分な取捨選択を行って、継続的に利用するインフラについては補修スケジュールを策定し、その一方でどうしても必要な新設は地域内で時間的な集中が起きないように順を追っての新設を行っていく必要があります。
このような将来に向けての拘束力ある計画をもって社会インフラの整備を行うことで、不確実性が減じ、当該産業の企業は人を雇う・育てることができるようになる。
金融政策の肝がコミットメントにあったように、公共事業が日本全体の雇用状況にプラスに寄与するためにもコミットメントが必要なのです。


日本全体の社会基盤、防災・減災インフラを整備するためには、それが重要であるからこそ景気対策を主眼にした集中的な支出ではなく、少なくとも10年、そして30年にわたる支出計画が必要である、そしてその方が結果的には景気への好影響も大きいのではないでしょうか。』


財政の政策割り当てについてはこちら。


[経済]財政政策ならば防衛支出を増やす方が望ましいのではないか?(田中秀臣、飯田泰之、原田泰諸氏の主張再考)
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20130104#p4


『現状のデフレ脱却については日本銀行の政策転換という金融政策の在り方を変えることがデフレ脱却の必要条件と考えている。

しかし財政政策をあえて積極的に行うならば、それは公共事業の景気拡大効果という「神話」にすがるべきではない

もちろん社会的に必要なインフラ整備は行う、復興事業に必要なものは行う、更新投資も必要なものはすればいいだろう。

しかし政策目的が、デフレ脱却ならば、その効果は効率的なもの、すなわちできるだけ社会的に無駄でないものが望ましい
その点で公共事業に依存するのは誤りだ。
この政策目的と手段の割り当てが、公共事業中心主義の人にはまったく理解されていない。

多くの間違いは、政策目的に、デフレ脱却、復興目的、災害対策、更新の必要性などが一括してあたかもひとつの目的としてくくられているからだ。
その混在一体としたごちゃごちゃなんでもかんでも混ざった目的に対応するのが公共事業だ、というわけだ。
まさに政策目的と手段の割り当て議論の前提を理解していない幼稚なレベルである。

公共事業に景気拡大効果があまり望めないことは多くの実証が証明している。
もし仮に土建業者の生活が苦しいのならば生活保護に手段を割り当てるべきである。』


労働供給制約状態


供給制約状態だと、「単価引き上げ」による労働需要右シフトの影響は通常時よりも強く出ます

「景気対策はそもそも民需駆逐である」などと意味不明な供述を書き込んできた人もいますが、日本全体に多大なる迷惑をかける暴論(しかも完全に誤り、関係有識者から見れば噴飯ものの妄言)であることを自覚しましょう。


【追記】
そういえば、土木財政原理主義としては、そもそも民間建設投資など存在しないことが暗に仮定されているようですが、当然そんなことはありません。
今年度の民間建設需要は増えておりました。

供給制約
http://ameblo.jp/hirohitorigoto/entry-11651202906.html



「増税前の駆け込み需要だー」とか言うかもしれませんが、だったらどうして大事な時に最後まで増税反対しなかったんですか、というね。

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コメント

凍え馬

間違った解決策は国民経済にダメージとなるだけ
「建設業の単価を上げる」というのは、今現在の建設業の単価が低いという事実評価を前提としたものでしょう。その上で、それが真実なら、長期的には単価の適正化の方向を目指すべきですが、それはあくまで「需要不足」下での話ですね。現在のように供給不足が発生してしまっているような状況の下では、単価引き上げは問題を悪化させるだけです。
それにしても、「単価引き上げで対応せよ」という主張をするM橋氏などは、かつては「長期デフレがもたらす最大の問題は、供給力の毀損である」とも述べていたはずなんですが、なぜそれが既に深刻なフェーズに突入しているという認識を持たず、単価引き上げで対応できるという幻想から脱しきれないんでしょうかね…

管理人

凍え馬さん>>

近視眼的に「公共事業を増やす事」だけが目標になっているんじゃないでしょうか。
飯田氏の提言にも三橋氏、藤井氏は耳を貸さず、エア思想戦に話を逸らしています。

「何らかの【利権】を守ろうとしているのではないか」という、当方が最も嫌う議論に落ち着いて行くのさえ、彼らについてはやむを得ないかもしれない、そんな気分になってきていますね。
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