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【国債】日銀が買いすぎて国債が足りなくなるので財政再建は必要???
先日の日銀政策決定会合の反応を見るに、いわゆるリフレ的政策支持者だけでなく、デフレ派や財政破綻派を含めて、

国債が足りない

が共通のコンセンサスになってきているようです。


元々、週末の決定を受けてだけでなく、昨年あたりからデフレ派のエコノミストがメディアを通じて「国債買い入れは限界、買う国債がなくなる」と煽っていました。

日銀の国債買入の限界
http://blogos.com/article/155796/


国債買い入れ、迫る限界 日銀補完策、緩和長期化にらむ
http://www.asahi.com/articles/ASHDL5VD7HDLULFA031.html



さて、ここで彼らが言っていることは「市場から国債がなくなる」「国債が足りなくなり金融機関が国債を売り渋る」ということでありますが、コレの意味するところは国債が足りない、要するに財政再建は終了している、という事だと思うわけですが、財政破綻派は何と言っているのでしょうか。


永遠には国債買えない、限界意識されれば金利上昇=木内日銀委員
http://jp.reuters.com/article/boj-kiuchi-idJPKBN0TM0MT20151203


『国債買い入れ自体も壁に直面しており、株安などで国内の金融機関が国債を買い増す場合、「日銀による国債の買い入れが困難化する事態も考えられる」とした。
国債買い入れの限界が「突然意識されれば、国債金利の大幅な上昇につながる可能性も考えられる」と懸念した。
日銀が現行の国債買い入れを継続すると、国債発行残高に占める中央銀行の保有比率が、現在主要国で最大の英国(約4割)を上回り「未曾有の領域に入る」と指摘した。』


えーと、量が必要とされる分に足りず、皆が欲しがって売り渋るので買い入れできなくなるほど少ない国債の価格がどうして暴落するんですかねぇ。
需要供給関係の基本に立てば、それは価格が高騰するはずなのですが。

で、価格が暴落するようであれば、皆が売り浴びせているんだからまた日銀が買えば済むことのはずなんですが。


政府・日銀の通貨発行益 財政再建に活用は困難(小黒一正)
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/oguro/06.html


『日銀の量的・質的緩和を通貨発行益という観点でみると、定義(1)では、計上すべき通貨発行益は80兆円になる。
しかし、今回の量的・質的緩和もいつか「出口」戦略が必要になる。
増やしたマネタリーベースは国債の売却・償還を伴いながらいつかは減少させることになる。
そのケースでは、定義(2)に基づき通貨発行益を認識すべきだといえる。』


ペース配分はともかく減らさなきゃいいんじゃないですかね。


『日銀が保有する国債の利回りは、日銀自身の強い買い需要で低下傾向にあり、緩和に伴う通貨発行益の増加は限界が近づいている。』


要するに皆が国債を欲しがってる状態ですよね。


ちなみに、小黒氏の結論は高インフレだそうです。(笑)



このように、まだ「財政再建」とか言ってる人にとって、どうなれば再建完了なんでしょうかね。
最近の言動を見るに、どうも「国債金利が暴落しないこと」とか「市中に出回る国債を減らすこと」ではないような気がします。
ヘタすると、本当に市中の国債がゼロになっても「まだ財政危機は終わらない!」「財政再建は永遠のテーマです!」とか言いながらずっと緊縮財政を言い続けるのかもしれません


まぁ変な人達の財政再建病はともかくとして、国債が足りないのは事実であって、政府は国債を出して財政出動すべき(増税中止は当然)だし、日銀は日銀で、国債の買い増しをしたり、本当にしんどいのなら地方債を買い入れるとか、もっとできることはあるはずなので実行して頂きたいものです。


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【質問】日銀QQEの拡大可能性と日銀総裁の警告する権利について聞いてみた
質問者2さんにならって質問してみた。

*******************************


いつも大変お世話になっております。

【質問1】
一部では国債買いつくし、国債市場過熱気味ということは言われておりますが、今後のQQEの量的拡大の可能性についてのお考えをお聞かせ下さい。
特に、地方債買い入れの可能性などはございますでしょうか。
(既にETF、CP、RIETなどの購入をしていることは承知しております。)

【質問2】
先の質問に関連して、米国FRB総裁のバーナンキ氏が、米国政府の財政の崖問題に際し、財政による経済混乱を中央銀行は吸収しきれないとして警告を発したことがありました。
黒田総裁におかれましても、消費税増税に関して、増税を延期し場合の国債暴落リスクについて、2013年9月5日の総裁会見にて警告を発せられたと理解しております。

そこで、現状の国債不足及び増税以降の消費動向の低迷について、日銀として再び警告を発せられるお考えはありますでしょうか。

お忙しいところお手数をおかけして恐縮ですが、以上の二点についてご回答のほど、よろしくお願いいたします。


【量的緩和】マイナス金利付きQQEと緊縮財政
「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160129a.pdf



本日の決定のポイント
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160129b.pdf



マイナス金利


(1)「金利」:マイナス金利の導入(賛成5反対4)(注1)

賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員。
反対:白井委員、石田委員、佐藤委員、木内委員。

金融機関が保有する日本銀行当座預金に▲0.1%のマイナス金利を適用する1。
今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる。
具体的には、日本銀行当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層に応じてプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用する(別紙)2。
貸出支援基金、被災地金融機関支援オペおよび共通担保資金供給は、ゼロ金利で実施する。
(2)「量」:金融市場調節方針(賛成8反対1)(注2)
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。
マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。

***************************************************************


本日の日銀決定会合にて、マイナス金利の導入とその他の現状維持、さらに物価目標達成時期の先送りが表明されました。
個人的には非常に不満ではあります。

以下、ポイントを。
まずはアホな話と政治的な話。

1. マイナス金利は民間金利には適用外

当たり前。
「俺の貯金通帳から利息を取るつもりか!」などと怒っている人は少し自重してください。
その他、住宅ローンなどの民間ローンの金利がマイナスになったりもしません。
そういう馬鹿な話が横行すると、マジメな懸念まで表明しにくくなります。


2. 賛成5 vs 木内4

この程度の政策変更でも4木内となり、薄氷の勝利となりました。
後述するように、本来なら量的緩和と将来にわたるMBの非縮小コミットを強化しなければならないのですが、それには程遠い追加策であっても簡単には通さない、ということでしょう。
増税政局と合わせ、次の日銀人事でも気を引き締めなければなりません。
一切の楽観論は排除すべきでしょう。

(注:反対派を木内と呼ぶのはネタです。笑)



次に経済的な話。

3. 緊縮財政との絡み

元々マイナス金利は量的政策に比べれば効果は限定的、代替策にはなりえない、という指摘がありますが、我が国の場合には、さらに反対側で増税をはじめ緊縮財政をやっています。
その結果、消費動向は悲惨なものに。

家計調査(二人以上の世帯)平成27年(2015年)12月分速報 (平成28年1月29日公表)
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.htm


実質消費支出:-4.4%
勤労世帯実質収入:-2.9%
(全て対前年同月比 ; 既に増税して2年目の結果であることに注意)


このように、総需要に対してマクロ的な恒久増税等の緊縮財政で抑制をかけており、いくらマイナス金利を実施しても、銀行貸し出しに向かうかどうかは疑わしいところです。

図にある通り、政策金利部分だけにマイナス金利を課す「階層構造方式」を採用しているので、この状況でも強い「金融機関抑圧」にはならないだろうとは思います。
ただし、現状では結果的に債権に、特に国債に資金が向かうこととなり、量的緩和政策と矛盾する可能性がないとは言い切れないでしょう。
(つまり、総需要抑制をしたままでは、金融機関に対して再び国債保有のインセンティブを強め、国債買い入れによるMBのスムーズな拡大に逆行するのではないか、ということ。)

資金フロー

(※画像に不正確な点があったので訂正)



もちろん「利子が高い方が良い」とか「俺の貯金から以下ry」とかいうヨタ話を持ちだして反対したいのではありません。

本来であれば、次のような量的政策を基本とした政策の強化が本筋だろうとは思います。

1. 量的緩和のペース拡大
2. 将来にわたるMB非縮小のコミットメント(つまり売りオペしない)
3. 協調して政府は国債発行し緩和余地を拡大
4. 緊縮財政、財政再建主義の放棄
5. 政府日銀協調しての名目GDPターゲットへの発展


またクルーグマンなどが提唱しているように、目標とするインフレ率をさらに高めに設定し直すことも必要でしょう。
とりわけ債権村の人達、あるいは銀行の人達は、今日の決定を受けて、政府に「もっと国債を出せ」と言いたくならなかったらアホだと思いますので、そこんとこしっかりして頂きたいと思います。


ただし、今の基盤が弱い安倍政権にどこまで要求していいのか、という問題は残ります。
政局に関しては、予感の表明と事実の直視はしても予想はしないことにしているので、「当たった」とか「外れた」という論評は受け付けません。


【論外】消費税増税凍結に日本国憲法25条改正が必要!?
タイトル通りの言説が、一部でにわかに発生しました。

問題外、と断じます。
あまりにも危険すぎるので、各方面に確認をとっていましたが、やはりこの言説はおかしい。
言い出した人が普段極めてまともな方なので、「吹き込んだヤツ誰だ?(怒)」というところを問題にしたい。
同時に、言っているのが誰か、についてはここではあえて述べません。


さて、問題になっている言説、正確に主張を述べるとこうです。

『税と社会保障の一体改革は憲法25条に結びついており、消費税増税の根拠となっている。増税凍結には、本質的に25条改正が必要である。』


<<問題点>>

1.増税凍結のハードル上げ

増税凍結なら、苦しい状況とはいえあくまで法律改正の問題です。
ところが、この言説は増税凍結の必要条件として、憲法改正を持ち出しました。

9条改正以外ならイデオロギー論争にならず、増税凍結以上に政治的に現実味のある形で遂行できるでしょうか?
管理人には、天文学的スケールでのハードル上げとしか思えません。
それなら、7条改正」を主張してみたら分かります。
社会保障を持ち出せば、いわゆる「左派」が改憲に乗ってくる、などという考えは甘い。


2.25条が増税の根拠か?

25条が増税や税と社会保障改革の裏付けだ、という根拠は何でしょうか。
これ、財務省ですらまだ切ってないカードです。


3.憲法典で拘束できる内容か?

元々、憲法典25条に関しては、朝日訴訟等でプログラム規定が確認されるなど、運用上の問題が多い条文です。
「経済厚生の向上」を憲法典に書き込めば経済成長を目指して官僚や政治家が動くのか、それはこれまでの経緯で証明されていることではないでしょうか。


以下に、当用日本国憲法典の、経済厚生に関係がある条文をいくつか取り出してみます。
憲法典に書き込めば、経済厚生を高める経済政策、再分配政策が行われるのかどうか、今一度よく考えて欲しい。


第二十五条  すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
○2  国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


第二十六条  すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
○2  すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。


第二十九条  財産権は、これを侵してはならない。
○2  財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
○3  私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。


第三十条  国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。


第八十三条  国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。


第八十四条  あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。





消費税の問題、あえて25条を持ち出すのなら、言うべきことは一つしかありません。

『25条に関わる習律、運用に照らして、消費税増税及び現行の社会保障改革は非立憲である』

です。
よりによって、我が方から「増税凍結に改憲が必要」などと、愚にもつかない憲法論を展開すべきではありません。
(馬鹿論なだけでなく、単なるハードル上げとなり、反緊縮派にとっては背後からの銃撃に等しい。)


増税凍結に関しても、84条の規定を「もう法律で決まっているから止められない」などと読み替えるのが財務官僚のやることです。
付け焼刃の憲法論を増税阻止側が持ち出すのは、二重にも三重にも悪手だと言えるでしょう。


直接関係はありませんが、安保法制のときにも、憲法典・憲法論議と現実の政策論はある程度分けて考えなければならない、とか、憲法運用がそもそも戦後一貫していたか、とか、そういうキモになるところをまともなクラスタは見てきたはずです。

いくら経済政策で絶望的な状況だからと言って、思い余ってこのような言説に耳を貸すことのないよう、是非とも気をしっかり持ってほしいところです。