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【現状認識】「金融緩和だけでは効かない」は事実と違う
マクロ経済政策に関する認識がまたぞろ混乱してきました。

現状認識として

金融緩和だけではデフレ脱却できない

という話をまた蒸し返す人が増えてきています。
特に、財政政策を重視する立場を表明する人がこれを言い出しているようですが、消費税増税の悪影響がこれほど鮮明になっている中、これは非常に不思議なことです。


元々、一部の経済評論家や大学教員による煽りもあってか、

財政政策vs金融政策

とか、

デフレは貨幣現象vsデフレは総需要不足

というエア思想戦対立構造に発展してそれ尾を引いているのだと思いますが、もちろんこんなものは実際には違います。



最近の金融経済情勢と金融政策運営
石川県金融経済懇談会における挨拶
日本銀行副総裁 岩田 規久男
https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/ko140910a.htm/



こちらの図表11に、金融政策の波及経路という図があります。

金融政策の波及経路は、大きく分けて

・為替経路(円高是正による輸出業の収益改善、製造拠点の国内回帰)
・ポートフォリオリバランス(資産価格上昇による収益期待上昇、それに伴う投資や雇用の拡大)
・予想実質金利の低下(投資や雇用の拡大)


などで、いずれも総需要に働きかけることで、雇用の増大や名目賃金の上昇により物価上昇につながります。

このとき、日銀は物価目標を安定的に達成し続けるようコミットメントをしなければなりません。
(コミットメントがあいまいな金融緩和は市場への働きかけが弱く、効果が薄い事が知られている。)


消費税増税をはじめ、ある種の緊縮的財政政策を行うと、このような強力な金融緩和の効果をもブチ壊しにする、ということがリーマンショック以降の世界的な動きとして知られています。


詳細はこちらをお読みください。


世界は危機を克服する―ケインズ主義2.0
野口旭 著
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784492444115



リフレ・レジームと消費増税
片岡剛士 / 計量経済学
http://synodos.jp/economy/5510




おおざっぱには、岩田副総裁の図表でも説明できます。

増税とリフレレジーム


消費税増税は、政治的に何らかのアクション(つまり法改正)を行わなければ元に戻ることはない、といった意味で恒久的な性格を持つ緊縮財政です。

恒久的な緊縮財政は、国民の実質所得目減り期待などを通じて消費抑制に強く働きかけ、総需要を減退させます。

結果、投資抑制に働きかけ、デフレギャップを拡大させ、雇用増大や賃金上昇、ひいては物価目標達成の足を引っ張る結果となっています。

さらに、デフレ脱却、長期低迷の本格的な脱出という政策レジームを打ち出した安倍政権でそれに逆行する増税をしてしまったことにより、そのような政策レジームへの信頼そのものが毀損した恐れがあります。


実際、

平成22年基準 消費者物価指数 全国 平成27年(2015年)3月分 (2015年5月1日公表)
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm



労働力調査(基本集計) 平成27年(2015年)3月分 (2015年5月1日公表)
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm



政府統計で見ても、雇用、物価ともに増税以降足踏みを続けており、さらに各種景気関係指標、予想インフレ率の参考になるBEIなどが増税以来低下傾向にあります。


これらの指標から、増税前まで金融緩和の効果で大幅に改善してきた雇用を増税が大幅に足を引っ張ったが、金融政策は引き続き続行中なので、なんとか大きく後退しない範囲で踏みとどまっている、というのが現状でしょう。


野口旭氏の本によれば、このように金融緩和をしたにも関わらず緊縮財政を断行し、結果的に景気回復をブチ壊しにした例は日本に限ったことではなく、英国、欧州諸国(ドイツは望んでやってる節があるので例外としても 苦笑)、米国などでそれぞれに似たようなことをやらかしている、とのこと。


我が国の場合にはもう一つ問題があります。

各種世帯の所得等の状況 (平成25年)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/dl/03.pdf



平成ひとケタの頃と比較して、低所得層の割合がどんどん増加しています。
現状、年収400万円以下の世帯が約半数を占めており、逆進性の高い消費税増税が消費性向の高い多数の家庭を直撃している可能性が高い。

増税の悪影響が想定以上に大きかったと言われるのも、このあたりを軽視し過ぎていたのではないでしょうか。



要するに、現状の何だか煮え切らない景気動向、物価動向の足を引っ張っているのは明らかに消費税増税という緊縮的財政政策です。


この状況を打開する最善の策は、消費税増税を中止して5%に戻し、一方で貨幣発行益を最大限利用して拡張的財政に伴う増税予想を完全に断ち切ることでしょう。
加えて、低所得層への給付系財政政策が必要です。


さらに、消費税増税による総需要の毀損を通じて、日銀のインフレターゲット政策への信頼が揺らいでいる可能性があります。
追加緩和、可能なら日銀法改正などのテコ入れも当然必要になると思われます。

(個人的には、拡張的金融政策、拡張的財政政策、やれることは何でもやれ、と思います。)


いずれにしても、

財政政策vs金融政策

という対立図式にこだわるのは現状認識として間違っているし、今後の対策を考える上ででも思考を制限してしまい有害だと思います。

「金融政策だけでは効かない」は明らかな間違いで、変動相場制の国では正しくやれば明らかに金融政策が効きます
だからと言って、「財政政策にはもう用はない」、ましてや「金融緩和さえしておけば増税しても問題ない」も明白な誤りとなります。


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あなたの仰る「構造改革」ってどの構造改革ですか?
本題の前にこちら。

ポツダム宣言の歴史知らず「戦後レジームの打破」とは
志位委員長が指摘
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-22/2015052202_02_1.html


『総理の最大の政治信条は『戦後レジーム(体制)の打破』ですが、戦後政治体制の原点中の原点は『ポツダム宣言』です。
それをよく読まないで、『打破』をいうのは、政治家として根本的な資質が疑われます』


アメリカのいいなり もうやめよう 日本共産党
http://www.jcp.or.jp/web_download/2012/10/post-116.html



アメリカのいいなり

もうやめよう


じゃなかったんですかねぇ。
在日米軍駐留の遠因でもあるポツダム宣言を「戦後民主主義の原点」などと大翼賛するのは、共産党の歴史観wからしてもマズイと思いますが。

党員の中でも原理主義的な人による総括が始まって、流血の騒ぎのようなことにならなければ良いのですが(棒)




ところで、大阪都抗争の住民投票を契機としてか、構造改革にまつわるおかしな言説が流れております。

まぁそれ以前からもあった話ですが、曰く

「リフレ派」は構造改革に賛成か否か!

と迫るものです。
当方管理人のところにも、ちらほら「貴様は構造改革に賛成するのか否か!」という特攻が寄せられております。
この種の質問が一番困る。

あなたの仰る構造改革ってどの政策のことだよ、というのをはっきりさせてくれないと回答不能だからです。

だいぶ前に政策割り当ての話をさせてもらったことがありますが、あれと同じで、政策目的があって、それに割り当てる政策がある


例としては、


目的:デフレ脱却
政策:質的量的金融緩和



目的:低所得層の所得下支え
政策:給付系財政出動



目的:防衛力整備
政策:防衛費増額


目的:広域行政と地域密着行政の役割分担の明確化・効率化
政策:府-市行政体制の再編



という具合です。



もし、次に挙げるようなものも構造改革の一種であるなら、「その構造改革には賛成」と答えるでしょう。


目的:人に依存しない金融政策の正常な運営の確保
政策:日銀法改正



だが、次のようなものなら、構造改革と呼ばれていても賛成はしません。


目的:????
政策:水道事業の「完全民営化」、行政介入を一切禁止



ちなみに、これに反対する理由としては、水道事業は規模の経済が働き、構造上地域独占となりやすいため、行政介入なしには市場の失敗を招くためです。




何か政策目的があって、その目的がまともな内容であり、その目的を達成するために適当な政策であるならば、その政策には賛成する。
そうではなく、目的があいまい、または目的と割り当てる政策が合ってない、そもそも目的が間違っている、などの場合には何らかの意味で反対、あるいは異論を挟むでしょう。


断っておきますが、当方管理人の理解では、経済学から「あらゆる構造改革的政策に賛成」という結論が自動的に導かれるわけではありません
この点、構造改革一般に反感を持つ人にも理解してもらいたいところですが、一方で構造改革的な何かに賛成する側にも注意してほしいと思うところです。
(特に都抗争では「お互い何をやっているのか分かっていない状態」での罵倒の応酬となった、という風に見えます。)


それから、「リフレ派」と呼ばれる政策集団は、「デフレ脱却には金融緩和が必要条件である」という一点で一致しているのであり、その他の「構造改革」を含む別の論点では意見を一致しているわけではないそうです。
(ただし、ここで言う「必要条件」は「金融政策だけでは効かない」の意味にあらず。)

これは「リフレ政策支持者」についても同じです。